宮古の魚,こぼれ話(その5)

その1(ドンコ)その2(マガキ)その3(ニシン)その4(ママス)
その5(アブラメ)その6(スイコ)その7(夏いか)その8(はも)
その9(シュウリガイ)その10(カツオ)その11(ヒラメ)その12(サケ)



 「広報宮古」にて掲載されていた「宮古の魚,こぼれ話」を,今年から月1回,このホームページでも紹介します。
 宮古で獲れる水産物のちょっとした情報(ネタ)を皆様にお伝えできたらな,と考えています。
 料理のレシピも同時に紹介☆



●● 今月の魚:「アブラメ」,標準和名:アイナメ,学名:Hexagrammos otakii

 今回は,アブラメを取り上げてみました。宮古では「アブラッコ」とも呼ばれるおなじみの魚です。
 
 アブラメは,大きくなると岩や物陰に居てじっと動きませんが,卵から生まれてしばらくは沖合の
表層で生活しています。
 
 身体の色もイワシの様に鮮やかな紺色で親の地味な色合いとは全く異なり,とても親子には見えません。
 
 アブラメの子供は身体の大きさが4cmくらいにまで大きくなると,沖合での生活を終え岸近くの藻場や
岩場で暮らすようになります。
 
 卵を産み始めるのは生まれてから2年,20cmを超えてからです。
 
 アブラメの産卵期は11月頃で,潮通しの良い場所の大きな岩などに雄が雌を誘い込んで行われます。
 
 雌はゴルフボール大の卵を岩の隙間や海藻に産みっぱなしますが,雄は飲まず食わずで何匹分もの卵を
必死に守ります。
 
 このころの雄は身体の色を黄色に変え,卵に近づく物は何でも攻撃します。
 
 冬の初めに時々釣れる真っ黄色のアブラメは,卵を保護している雄です。
 
 雄が居なくなると卵達はあっという間に他の生き物に食べられてしまいます。
 
 できるなら,黄色いアブラメは釣れても海へ返してあげてください。
 
 さて,産卵や子育ては春までに一段落,へとへとに疲れたお父さん・お母さんたち(特にお父さん)は
岸に寄り,お腹一杯餌を食べて体力回復に努めます。
 
 ちょうどサクラやコブシの花の咲く頃には元気もりもりで脂ものり,一年で一番おいしい時期となります。
 
 もちろん刺身や煮つけも絶品なのですが,ちょっと手を加えてカルパッチョ風のサラダなどいかがでしょうか。
 
 ビールやワインにぴったりです。

 





【レシピ】
 
1.アブラメを三枚におろし,小骨が多い魚なので丁寧にこれらを処理した後,
  串を打って皮の着いた方を少し焦げ目が付くようにあぶります。
  この時期,皮の下に脂がのるのでこれを味わうためです。身は少し厚めに切り分けます。
  あぶるのが面倒なら普通の刺身を作る要領で切り身にしていただいても十分おいしいですよ。
 
2.スライスしたニンニクを多めの油(できればオリーブオイル,なければサラダ油)で
  色づくまで炒めます。
  この油と酢を1:1の割合で混ぜ,適量の塩コショウで味付けすればニンニクドレッシングの完成。
 
3.切り分けたアブラメの身をニンニクドレッシングであえて,お好みの野菜の上に盛りつければ出来上がり。

 

【今月のキモ】
 
『ニンニクやコショウを利かせて』
 磯魚のアブラメはちょっと癖があります。
 ニンニクやコショウ,唐辛子などの香味料・香辛料を利かせると味が引き立ちます。まずはおためしアレ。



 
 写真提供:宮古市総務企画部企画課
 紹介:西海区水産研究所(元:宮古栽培漁業センター),有瀧真人(宮古湾の藻場・干潟を考える会)





その1(ドンコ)その2(マガキ)その3(ニシン)その4(ママス)
その5(アブラメ)その6(スイコ)その7(夏いか)その8(はも)
その9(シュウリガイ)その10(カツオ)その11(ヒラメ)その12(サケ)


トップへ戻る