宮古の魚,こぼれ話(その2)

その1(ドンコ)その2(マガキ)その3(ニシン)その4(ママス)
その5(アブラメ)その6(スイコ)その7(夏いか)その8(はも)
その9(シュウリガイ)その10(カツオ)その11(ヒラメ)その12(サケ)

 「広報宮古」にて掲載されていた「宮古の魚,こぼれ話」を,今年から月1回,このホームページでも紹介します。
 宮古で獲れる水産物のちょっとした情報(ネタ)を皆様にお伝えできたらな,と考えています。
 料理のレシピも同時に紹介☆

●● 今月の魚:「カキ」,標準和名:マガキ,学名:Crassostrea gigas

 温暖化の影響があちこちで取りざたされていますが,やはり宮古の冬は寒い!! 
 
 そんなときにはやはり暖かいもの,特に鍋料理なんかがうれしいですね。
 
 今回は,冬の鍋の定番素材「カキ」を取り上げてみました。
 
 「カキ」といえば養殖ガキが有名です。
 
 日本で養殖されている「カキ」はほとんどがマガキと呼ばれる種類です。
 
 世界中で「カキ」の仲間は約200種,日本にも数十種が生息すると言われますが,
このマガキは寒さ暑さに強い上,大きくて味も良いことから,日本はもとより海外にも輸出され,
アメリカやカナダ,最近ではフランスでもたくさん養殖が行われています。
 
 ニューヨーク,グランドセントラル駅のオイスタバーやパリ,シャンゼリゼの屋台で売られて
いるおしゃれな生ガキも元を正せば,宮城や広島がお里だった・・・ってことになるかもしれません。
 
 日本の「カキ」の特産地は広島ですが,岩手も広島,宮城,岡山に次ぐ生産県です。
 
 ここ宮古でもカキ養殖は盛んに行われ,年間100トン弱,1億円以上の水揚げがあります。
 
 閉伊,津軽石の2大河川が流れ込み,滋養たっぷりな宮古湾の「カキ」は,味,品質共にトップクラス。
 
 東京築地市場では銘柄指定で先を争って購入されるそうです。
 
 そんな宮古の「カキ」に近年期待の星が現れました。
 
 その名は「花見ガキ」。「カキ」といえば冬のものと思われがちですが,ほんと〜においしいのは,
春の産卵直前,それも3月,4月がピカイチです。
 
 その最高の「カキ」を取り上げた宮古の「花見ガキ」,私もいただきましたが,つやつやで一口では
ほおばりきれないほどの大振りの身,薫り高くこぼれんばかりのうまみと食感は日本一の風味でした。
 
 時期になると宮古の“海の駅なーど”,“浜ゆう”,“無礼講”,“楽菜”で食べることができます。
 
・・・・と言うか,年間2万個しか生産していませんのでここ(宮古)に来ないと味わえない究極のごちそうです。
 
是非おためしアレ。
 
 さて今回の料理は,カキの時雨煮茶漬です。
 




【レシピ】
1.大根おろしなどで振り洗いしたカキの身を酒,醤油,砂糖,みりんで軽く煮ます。
  煮汁はお好みで味付けしてください。甘口ならそのままご飯のおかずに,辛めに仕上げれば酒の肴としても最高です。
  ただ,煮すぎは要注意!!目安はカキの身が軽くふくらむ程度。
 
2.カキに火が通ったら大急ぎで煮汁からあげてください。残った汁はとろみがつくまで煮詰めます。
 
3.冷ました汁にカキを再び入れて一晩漬け込みます。
 
4.温かいご飯を用意してたっぷりとカキの佃煮をのせ,ノリを振りかけてあつ〜いお茶を注げば出来上がり。
  好みでアラレやワサビを添えてもいいものです。
 
5.寒い夜にカキの佃煮をつまみながら人肌にした熱燗を楽しみ,仕上げに時雨茶漬け・・・・極楽です。

【今月のキモ】
 “カキの火入れはカラスの行水”
 
 カキの命は,ぷるぷるとした食感と独特の香りです。
 
 煮すぎてはすべてが台無し。加熱しすぎないように気をつけてください。
 
 今回は時雨煮でしたが,ネギの千切りとカキを塩味でさっと炒め,鶏ガラスープを加えた後にとろみをつけ,
熱々を茹でた中華そばにぶっかける『カキそば』もほっぺたが落ちるうまさです。
 
 旬のカキを目一杯楽しみましょう。
 
 写真提供:宮古市総務企画部企画課
 紹介:西海区水産研究所(元:宮古栽培漁業センター),有瀧真人(宮古湾の藻場・干潟を考える会)





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