宮古の魚,こぼれ話(その1)

その1(ドンコ)その2(マガキ)その3(ニシン)その4(ママス)
その5(アブラメ)その6(スイコ)その7(夏いか)その8(はも)
その9(シュウリガイ)その10(カツオ)その11(ヒラメ)その12(サケ)

 「広報宮古」にて掲載されていた「宮古の魚,こぼれ話」を,今年から月1回,このホームページでも紹介します。
 宮古で獲れる水産物のちょっとした情報(ネタ)を皆様にお伝えできたらな,と考えています。
 料理のレシピも同時に紹介☆

●今月の魚:「ドンコ」,標準和名:エゾイソアイナメ,学名:Physiculus maximowiczi

 さて,第1回目は「ドンコ」です。皆さん,「ドンコ」というとどんなイメージを頭に描かれるでしょうか。
 
 大きな目や大きな口?茶色い人魂のようなユーモラスな姿?釣りの対象?それともアッツアツで濃厚なドンコ汁?
 
 いずれにしてもここ宮古,イヤ三陸の海ではなじみの深い魚です。
 
 でもこの「ドンコ」,案外氏素性が知られておりません。
 
 「ドンコ」(写真上)は「チゴダラ属」というグループでタラの仲間です。この仲間は,比較的深くて冷たい海が
好みで俗に言う深海魚が多いのですが,「ドンコ」だけは沿岸の極浅いところでも生活します。
 
 ただ,それも子供もうちだけで大人になると少し深いところへ出ていくようです。
 
 ですから防波堤などで良く釣れる「ドンコ」はまだまだ半人前で,大振りのものは沖合で生活しています。
 
 鮭の卵はイクラで,川で生まれ海に下り,4年後に帰ってくることはよく知られています。
 
 しかし,「ドンコ」では先のように大まかな様子は想像できますが,どこで卵を産むのか,子供がどんな姿を
しているのか,年齢,寿命などは全くと言っていいほどわかっていません。
 
 おまけに,グループの代表名になっている「チゴダラ」と「ドンコ」は目の大きさや水深などで分けられて
いますが・・・・いささか,いやかなり曖昧で同じ魚の可能性もあります。
 
 私達にとっては,身近な魚である「ドンコ」もちょっと調べるとその正体は謎のベールに包まれています。
 
 「ドンコ」はタラの仲間だと言いましたが,白身で淡泊な持ち味はまさにタラによく似ています。
 
 ただ,タラより大きな魅力は肝(肝臓)の存在です。
 
 特に秋口から寒さの厳しくなる冬場の肝は絶品で,これをうまく使うことが「ドンコ」料理のキモ・・・
といっても良いでしょう。
 
 それと,タラと同様に少し身の柔らかいのが特徴でもあり,難点でもありますから,塩をしたり干して水気を
飛ばすとギュッとうまみが凝縮して味が際だちます。
 
 今回はチリソース炒めに挑戦してみました。お試しアレ。


【レシピ】
 
1.三枚におろしたドンコに軽く塩を振って30分ほど置き,身をしめます。
 
2.食べやすい大きさに切り分け,片栗粉をまぶして油で揚げましょう。
  この時,片栗粉がしっとりするのを待ってから揚げると,油が傷みません。
 
3.十分中華鍋を熱し,サラダ油を適宜入れたらまず肝を投入。炒めながらつぶしてください。
  肝の色が変わってきたら市販のチリソースまたはキムチ鍋の素をお好みで加え,かき混ぜてください。
  チリソースの場合は塩コショウや醤油で味を調えて。
 
4.いいにおいが立ってきたら,揚げておいた身を加えさっと絡め,最後にネギを散らして完成。
 
5.ピリッとした香辛料とサクサクの白身は相性バッチリ。ビールやご飯のお供にどうぞ。

【今月のキモ】
 先にも書きましたが,寒い時期のドンコ料理は肝の使い方につきます。
 
 今回のように炒め物のコク出しに使ったり,鍋の出汁にとき入れたり,用途は様々です。
 
 叩いた肝と味噌を混ぜ,三枚におろしたドンコの身に塗って焼いた「ドンコの肝味噌焼き」もおすすめです。

 写真提供:宮古市総務企画部企画課
 紹介:西海区水産研究所(元:宮古栽培漁業センター),有瀧真人(宮古湾の藻場・干潟を考える会)






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