小さな魚達の大きな幼稚園〜宮古湾周辺で育つ稚魚達の紹介〜(その1:食用)

写真その1(漁業対象)写真その2(非漁業対象)
写真その3(大きくならず,一生を藻場・干潟で過ごす魚)

宮古湾奥部の藻場・干潟は重要な稚魚の育成場。
大きな魚はいなくても、大きく育つ稚魚たちがひっそりと、逞しく生きています。
大きくなると80cmを超えるヒラメも、生まれた時はたったの3mm。
三陸の海で生きる、小さな魚達の大きな幼稚園。
その幼稚園の生徒達を、稚魚調査の記録から少しだけ紹介します。

 

ニシン Clupea pallasi
左:全長約25mm 2008年4月13日撮影
右:全長約25mm 2008年4月13日撮影

北日本に分布する。産卵は春。卵はカズノコ。
宮古湾では放流開始以来水揚げ量の増加が見られ,様々な調査が行われている。


 

カタクチイワシ Engraulis japonicus
左:全長約75mm 2007年2月26日撮影
右:全長約45mm 2007年5月14日撮影

日本各地に分布し,稚魚は宮古湾でも頻繁に見られる。
特に磯建網やシラス漁で目にすることが多い。
餌は専ら動物プランクトン。


 

ウナギ Anguilla japonica
左:全長約60mm 2007年4月11日撮影
右:全長約60mm 2007年4月11日撮影

重要な食用魚。宮古湾では湾内に稚魚から成魚まで生息している。
しかし,成熟して卵を産むまでや,卵からある程度の大きさになるまでの生態には謎が多い。
かなりの回遊を行うとされているが,真相は如何に???
トップページの藻場・干潟の生物たち,その34で紹介



 

マアナゴ Conger myriaster
左:全長約100mm 2008年3月26日撮影
右:全長約120mm 2007年5月10日撮影

ウナギ同様,重要な食用魚。そしてウナギ同様,宮古湾では湾内に稚魚から成魚まで生息。
そしてさらに,ウナギ同様,成熟して卵を産むまでや,卵からある程度の大きさになるまでの生態には謎が多い。
宮古湾のマアナゴは,どこで産まれるのでしょう・・・???


 

チカ Hypomesus pretiosus
全長約95mm 2007年5月14日撮影

釣りや食用魚として有名なチカも,宮古湾奥部で稚魚が捕れる。
格好はワカサギによく似ている。


 

アユ Plecoglossus altivelis altivelis
全長約40mm 2008年3月10日撮影

食用としての他、友釣りでも有名な魚。
川魚と思われがちだが、子供は宮古湾内にもいる。


 

スケトウダラ Theragra chalcogramma
左:全長約25mm 2007年4月9日撮影
右:全長約25mm 2007年4月9日撮影

言わずとしれた、非常に重要な食用魚。
成魚は深い海に生息するが、稚魚は宮古湾の奥にも生息している。


 

マトウダイ Zeus faber
全長約60mm 2007年1月17日撮影

的のように黒い模様を体に持つ魚。
大きくなると40cmを超える。


 

ボラ Mugil cephalus
全長約30mm 2007年5月14日撮影

日本中に生息する魚。
味はイマイチと思われているが、冬はかなり美味。


 

マアジ Trachurus japonicus
全長約65mm 2007年2月26日撮影

日本の代表的な大衆魚の一つ。
小さいものは宮古湾内にかなり生息している。


 

クロダイ Acanthopagrus schlegeli
全長約120mm 2007年3月16日撮影

食べて美味しい、その名の通り黒いタイ。
地方名ちぬ。磯釣りの好ターゲット。


 

ウミタナゴ Ditrema temmincki
全長約60mm 2007年6月29日撮影

宮古で言うところの、普通のタナゴ。
実は最初から魚で産まれてくる胎生魚


 

イカナゴ Ammodytes personatus
全長約35mm 2007年4月12日撮影

春先に獲れるシラスの正体がこの魚。
鮮度が良く、美味しいものは宮古ならでは。


 

サバの1種 Scomber sp.
全長約80mm 2007年5月14日撮影

日本の代表的な大衆魚の一つ。
マサバとゴマサバがいるが、この写真がどちらかは不明。


 

メバル Sebastes sp.
全長約25mm 2007年4月12日撮影

食用としてのみならず、最近釣りでも大人気な魚。
アカ、クロ、シロの3種がいる。


 

クロソイ Sebastes schlegeli
全長約40mm 2007年6月29日撮影

通称スイ。栽培漁業の対象種。
約7mmで産まれ、約2ヶ月で4cmサイズまで成長する。


 

ホッケ Pleurogrammus azonus
全長約40mm 2008年3月5日撮影

おそらくホッケと思われる個体。
開きにして美味しい魚。


 

ヨコスジカジカ Hemilepidotus gilberti
全長約15mm 2008年5月2日撮影

宮古周辺でも水揚げされ,市場では「まかつか」と呼ばれている。
最大30cm程度で,食用となる。


 

ギスカジカ Myoxocephalus stelleri
左:全長約20mm 2008年4月13日撮影
右:全長約20mm 2008年4月13日撮影

宮古湾の奥部では良く目にする,いわゆる「かつか」。
春〜夏にかけて,幼魚が見られる。


 

ケムシカジカ Hemitripterus villosus
左:全長約25mm 2007年3月16日撮影
右:全長約35mm 2007年3月19日撮影

宮古では「ふくろかつか「とうべつかつか」などと呼ばれる
本名は「ケムシカジカ」と,あまり美味しそうな名前ではないが,鍋などで美味しい魚
成魚は比較的深い場所にもいるが,稚魚は湾内で発見できる
トップページの藻場・干潟の生物たち,その34で紹介


 

トクビレの一種 Podothecus sp.
左:全長約25mm 2008年5月2日撮影
右:全長約25mm 2008年5月2日撮影

宮古周辺では「はっかく」と呼ばれている。
奇妙な形をしているが,実は美味。



写真その1(漁業対象)写真その2(非漁業対象)
写真その3(大きくならず,一生を藻場・干潟で過ごす魚)

トップへ戻る