<2007年3月5日,19日 ニシン孵化仔魚放流の取り組み>
卵巣が「かずのこ」として利用されるニシンは,湾内に産卵のためやってきます。
そこを狙って漁獲するのが磯建て網です。
漁師さんはニシンを狙って磯建網漁業を行います。
一方で,卵を産みに来たニシンをことごとく獲ってしまっては,あっという間にニシンはいなくなってしまうおそれがあります。
かといって,漁獲しなければ,漁師さん達は生活ができません。
そこで,漁業者自らニシンを増やすための取り組みを行おうということで,ニシン孵化仔魚放流の取り組みが行われました。
まずはニシンから採卵を行います。
(写真:採卵の様子)
卵を持ったニシンは,水揚げするとすぐに死んでしまいますが,その卵はしばらく生きています。
朝水揚げされたニシンから,まずは卵巣と精巣を取り出します。
さらに卵巣から卵のみを取り出し,集めます。
次に人工授精です。
精巣を絞って精子を出し,卵と混ぜ合わせます。
左:人工授精風景
右:人工授精
そしてその卵をマブシと呼ばれるものに付着させます。
左:マブシ
右:作業風景
バケツに卵を入れ,かき混ぜて水が回っている間に上手くマブシに卵を付着させます。
左:受精卵
右:作業風景
こうしてマブシに付着した卵は,しばらく水槽の中で管理します。
左:水槽への搬入
右:孵化を待つニシンの卵
孵化前になったら,宮古湾に持って行き,孵化仔魚放流を行います。
<3月19日 ニシンの卵,宮古湾へ>
人工授精してから2週間。卵に眼ができ(発眼卵),いよいよ孵化まで数日となった卵を,
宮古湾に持って行きます。
ニシンの仔魚を放流する,孵化仔魚放流の試みが行われました。
こうして発眼卵で海に出したニシンでも,ちゃんと大きく育つことが,近年の調査でも分かっています。
また,今年もこうして生まれた仔魚について,成長や生態などの追跡調査を行います。
このような取り組みを行うことは,資源を守りながら上手に活用していくことにつながります。
今後も,取り組みへの理解とご協力をお願いいたします。
写真:ニシンの卵,宮古湾へ
協力
宮古湾磯建網漁業者
(山根幸伸さん,佐々木貞吉さん,佐々木章さん)
宮古地方振興局
宮古市役所
宮古栽培漁業センター
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